■ 関連報道記事 ■


ここでは、私の議会活動に関連して報道されたものをお知らせします。


熊本日日新聞 2003(平成15)年1月30日】

◎両岸道路への影響、たい砂状況を把握 県議会建設委が荒瀬ダムを視察 荒瀬ダム撤去

 県議会の建設常任委員会(大西一史委員長)が二十九日、八代郡坂本村の県営荒瀬ダム(藤本発電所)を視察した。ダム撤去に伴う球磨川両岸の道路への影響やダム湖のたい砂状況を把握し、今後の議会での審議に役立てる。
 ダムでは県企業局職員がダム湖の断面図を示しながら、たい砂の状況などを説明。護岸の亀裂や洗掘部分が五十五カ所で延べ約千五百五十メートルあると示し「二〇〇三年度から四カ年計画で、緊急性を要する所から補修していく」として、工法などを説明した。
 この後、泥土の除去作業が始まった破木の百済来川などを視察。議員たちからは「国にも護岸の補修費負担を求めたい」などの意見が出ていた。
 大西委員長は「ダムは単純に撤去すれば終わりではない。撤去は初めての試みな上、道路への影響や護岸の補修費の問題などがある」と話した。八代港沖の大築島埋め立て事業と九州新幹線八代駅工事現場も視察した。


熊本日日新聞 2002(平成14)年11月28日】

◎大西県議が自民離党 県連党紀委の勧告受け 熊本市長選挙 地方選挙

 熊本市長選で、所属する自民党県連の推薦決定に背き、当選した幸山政史氏(37)を支援した大西一史県議(34)=熊本市区=は二十七日午後、同党県連に離党届を提出、受理された。
 同日午前、県連三役と県議会議長経験者で構成する党紀委員会(委員長・池田定行県議)が、大西氏の離党勧告処分を決めたことを受けた。
 処分決定まで離党しなかったことについて、大西氏は「政党に対する有権者の信頼感の欠如は大きく、市長選で自分が経験したことが、今後の党改革に役立つとの思いもあった」と説明。離党後は県議会のどの会派にも属さず、無所属で活動する考えを表明した。
 一方、同県連の島津勇典幹事長は「大西氏の考えには共感するところもある」としながらも、「(処分が)熊本市民にどう受け止められるかということも視野にあるが、組織としてけじめをつける必要がある」と強調した。
 一方で島津氏は、県連幹事長として「市長選をめぐる一連の問題について、責任を重く感じている」と自らの責任も認めた。


熊本日日新聞 2002(平成14)年11月28日】

◎「市長選ショック」続く自民 島津幹事長「責任感じる」 県連執行部の人事に波及も 熊本市長選挙 地方選挙

 自民党県連(会長・木村仁参院議員)で、熊本市長選の「余震」が続いている。党の方針に反し、当選した幸山政史氏を支援した大西一史県議の処分問題は二十七日、党紀委員会の勧告を受けた同氏が離党して決着したものの、島津勇典同県連幹事長は一方で自らの責任も認めた。「余震」は十二月に任期切れとなる県連執行部人事にも波及しそうだ。
 「無所属として苦しい面もあるだろうが、自分の考えをきちんと述べ、来春の統一選に臨む。自民党は責任政党として、有権者の意識を敏感に感じ取り、柔軟に変革していただきたい」。二十七日午前の県連党紀委員会に呼ばれ、離党勧告された大西氏は直後に語った。
 同日午後、大西氏はあらためて県連を訪れ、島津幹事長に離党届を提出。「市長選での自分の経験が、今後の党改革に役立つという思いもあったが…」と、処分決定まで離党しなかった理由に触れた。
 島津幹事長はこれまで、大西氏、幸山氏ら若手の活動をバックアップしてきた。「大西氏は反自民の立場ではなく、党に対する指摘には共感するところもある。しかし、推薦以外の候補を明確に支援した者に、何の対応もしないのでは政党ではない」と、苦しい心境をのぞかせた。
 大西氏の処分とは別に、県連には、十一日に離党届を提出した小杉直県議の取り扱いも残る。「選挙長補佐の肩書で市長選にかかわった。敗北の責任を取り、謹慎の意味で離党したい」と述べる小杉氏に対し、島津氏は「離党の理由が見当たらず、受理できない」と強く慰留。届は宙に浮いた形だ。
 一方で島津氏は二十七日、「(市長選をめぐる)一連の問題の責任は重く感じている」と自らの責任に言及。ただ、「県連会長選考委員会の立ち上げなど、党務が残っている。今すぐに軽々なことは言えない…」とも述べ、今後の去就については言葉を濁した。
 木村会長をはじめ、県連執行部の任期(二年)は十二月まで。来春の統一地方選を控え、無風の続投とも目されていたが、「市長選ショック」で一気に流動化しそうな気配だ。


熊本日日新聞  2002(平成14)年11月27日】

◎大西県議に離党勧告 自民県連 熊本市長選の造反処分 市長選挙 地方選挙

 自民党県連は二十七日午前、県連三役と県議会議長経験者で構成する党紀委員会(委員長・池田定行県議)を開き、大西一史県議(34)=熊本市区=に離党勧告することを決め、委員会に呼んだ同氏に言い渡した。
 十日投票の熊本市長選で、同県連の推薦決定に従わず、当選した幸山政史氏(37)を支援したことに対する処分。大西氏はこれを受けて同日午後、同県連に離党届を提出する。
 党紀委には九人が出席。終了後に会見した池田委員長、島津勇典同県連幹事長は「ほかに考え方がないのかという意見もあったが、組織としてけじめを付けるのは当然。何もないということになると、政党でなくなる」と述べた。
 大西氏は「決定に従うが、私も幸山氏も(自民党の)組織の中で育てていただいたので残念。ただ、有権者の意識と政党の考え方にずれがあるのも事実だ。
責任政党として組織の在り方を論議してほしいと要望した」と話した。


熊本日日新聞 2002(平成14)年11月25日】

◎市民の政治参加探る 市民団体の集会に60人 幸山氏ら意見交換

 熊本市長選を参考に市民の政治参加の方法を探ろうと、同市長選を機に発足した市民団体「私たちの願いを市政に届ける会」(廣瀬賜代代表)が二十四日、熊本市九品寺の県教育会館で集会を開いた。市民約六十人が参加した。
 十二月三日に新市長に就任する幸山政史氏や、市長選で立候補予定者による公開討論会を計画した学生グループの代表、市議、県議らが出席。幸山氏の公約、公開討論会が実現できなかった理由、選挙制度などのテーマで参加者と意見を交換した。
 幸山氏は「市民との直接対話の機会を優先的につくりたい。ぜひ市政への関心を継続し、市議会にも足を運んでほしい」と強調。選挙戦で幸山氏を全面支援した大西一史県議(自民)は「公約の中には実現に時間がかかるものもある。実現に向けたスケジュールを早く市民に示してほしい」と幸山氏に要望した。
 会場からは「候補者の考えを知る機会が少ない」「戸別訪問の禁止で、候補者の考えを有権者に伝える機会が制約されているのはおかしい」などの意見が出ていた。


熊本日日新聞 2002(平成14)年11月19日】

◎大西県議の処分結論は持ち越し 自民県連党紀委 熊本市長選挙 地方選挙

 先の熊本市長選で、自民党県連の推薦決定に反し、当選した幸山政史氏(37)を支援した大西一史県議(熊本市区)について、同県連は十八日、党紀委員会(池田定行委員長)を開き、十二月五日の定例県議会開会までに結論を出すことを申し合わせた。
 党紀委は県連三役と議長経験者の計十人。この日は七人が出席した。終了後に会見した池田委員長、島津勇典同県連幹事長らによると、出席者からは「大西氏の処分の前に、県連の責任を問うべきだ」との声があったものの、「選挙に敗北したという反省の上に立ち、謙虚な姿勢で協議することが必要」との意見が大勢を占めた。
 このため、党紀委は次回までに同市選出県議を中心に党内の意向を聴取。大西氏にも弁明の機会を与え、十二月県議会開会までに結論を出すことにした。
 これに対し大西氏は「党の決定に従うつもりだ。意見を述べる機会があれば、書面による提出も含めて応じたい」と話している。


熊本日日新聞 2002(平成14)年11月18日】

◎月・週刊誌、ななめ読み=政治家の「父殺し」 本 月週刊誌

 先日の熊本市長選は、当選した幸山政史前県議と応援した大西一史県議が「父殺し」を果たしたドラマでもあった。つまり、かのフロイト先生の説に従えば、息子は父親の権威や文化を乗り越えてこそ精神的な自立ができるという。二人の父親は自民党県議であったが、二人は自民党が推した候補と戦った。二人を支えたのが野党系の平野みどり県議で、異性の「共犯者」がいた意味も大きい
▼「週刊新潮」のグラビアは、鹿児島市内の真言宗の寺で行者姿になって護摩行をする鳩山由紀夫民主党代表を撮っている。タイトルは「神頼み」。この寺は、巨人軍の清原和博選手をはじめスポーツ界や政界の大物たちも数多く訪ねるという。寺の法王も「鳩山さんは顔の力が弱く"光"が足りない」と、有名人慣れした感想を述べている▼鳩山代表は祖父の代から続く政治名門の出身で、「七光」を持っているはずだが。いや、それだからこそ「父殺し」も難しいのかも。信仰は自由とはいえ、護摩行をする野党党首の姿はまたも気迫不足を印象づけている。逆効果。(樹)


熊本日日新聞 2002(平成14)年11月14日】

◎15日以降に党紀委 自民県連 熊本市長選挙敗北で 地方選挙

 自民党県連(木村仁会長)は十三日、熊本市長選で推薦した現職の三角保之氏(62)の落選を受けて常任総務会を開き、十五日以降の早い時期に党紀委員会を開くことなどを決めた。
 市長選では、当選した幸山政史氏(37)を大西一史県議が支援しており、大西氏の処遇が中心になるとみられる。
 三角氏落選の責任を取り、役員辞任の意向を示した県連役員を務める熊本市議三人の扱いは、島津勇典幹事長預かりとして保留することを了承した。
 常任総務会は県議二十五人が出席。
 島津幹事長が「県都の首長選で推薦候補が敗れた政治的意味は大きい。責任は十分に感じている。残念で、申し訳ない」などと市長選の結果を報告した。
 責任の在り方では、県議から「市の首長選は基本的には市議主導の選挙」「推薦の重みに対するけじめは必要」などの意見が出たが、県連役員の解任などを求める意見はなかったという。
 会議後、会見した島津幹事長は「個人名は出なかったが、党紀委員会を開く必要があることで一致した。市議三人の県連役員辞任については、市議団と話し合いの場をもちたい」と述べた。


熊本日日新聞 2002(平成14)年11月12日】

◎新市長誕生・くまもと、県都の選択(1)=既成の枠超え "共感"軸に広がる支持 [連載] 熊本市長選挙 地方選挙

 「市政を変えたいという私と市民の気持ちが一つになった」
 熊本市長選の開票が大詰めにさしかかった十日午後十一時すぎ、同市大窪の選挙事務所で、幸山政史氏(37)がマイクを手に"勝利宣言"した。
 金子高政事務長(75)は、その一角で歓喜の余韻に浸りながら、「最初は、本当にこれで戦ができるのかと思った」と漏らした。
 二〇〇〇(平成十二)年の知事選で幸山氏と知り合った金子事務長は、これまで国政選挙など二十回近く選挙にかかわった。今回の対立候補、三角保之氏(62)が展開した組織戦のベテランだ。
 今度の選挙は勝手が違った。確かに、旧松野派幹部だった幸山氏の父繁信氏(70)のつながりで、同派青年部が動くなどの組織戦の一面があった。しかし一方で、同級・同窓生、県議時代に知り合ったNPOや学生、知事選で潮谷義子知事を支援した女性団体などの有志が個々人で動き出した。
 陣営全体をくくる枠はなく、指揮系統もない。あったのは「自民対非自民の戦いにはせず、反現職票を取り込む。自覚的無党派層を狙って政策や政治姿勢を訴える」という基本方針だけ。九月末に開設した事務所では、いくつかのグループがテーブルを囲み、それぞれ打ち合わせをしている。金子事務長は、個人が自ら動く光景に戸惑った。
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 当選の喜びに沸く事務所に、上益城郡益城町の山本睦子さん(48)の姿もあった。
 山本さんは、認可外保育園への公費助成を求める県認可外保育園保護者連絡会の幹部。平野みどり県議が十月三日、教育や福祉関係の市民団体幹部と幸山氏をつなごうと開いた対話集会で、初めて幸山氏に会い、期待を持った。
 「一人ひとりの話をちゃんと受け止め、問題意識を持ってくれる」。応援する気持ちを込め、会員約八百世帯に送った会報で「投票に行こう」と呼び掛け、幸山氏との対話の経過を盛り込んだ。
 さまざまな形で、問題意識や課題を持った市民が幸山氏に共感し、仲間に伝えた。ピラミッドの頂点から末端に向かって縦に固めていく組織戦に対し、幸山氏の陣営は複数のキーパーソンを中心にいくつもの輪が広がっていった。
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 幸山氏の出馬の一報が流れた九月十二日午前。衝撃が走る市議会棟で、ある自民党市議が「若者の挑戦だな」と冗談めかしながら、暗に選挙戦の行方を占った。
 ほどなく、自民党若手の大西一史県議が幸山支援を表明。さらに県民クラブの平野県議、渡辺利男県議、民主党の松野頼久衆院議員が次々にマイクを握り始めた。支持母体との摩擦覚悟で"個人"として動き出した。また、議員に共鳴したそれぞれの支持者が世代を超えて後押しした。
 大西県議は「選挙運動の仕方は組織固めによるトップダウンではなく、(一人ひとりの意思を尊重する)ボトムアップの時代だ。今回の結果がそれを証明した」と力を込めた。
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 熊本市に三十七歳の新市長が誕生した。今回の市長選では、無党派層や若手政治家のこれまでと違う戦い方が、既成の政党・団体の組織戦に風穴を開ける結果になった。各政党は来春の統一地方選、その後の国政選挙をにらみ、戦略の見直しを迫られている。勝敗を分けた要因と今回の市長選に現れた"新しい波"を検証する。


熊本日日新聞 2002(平成14)年11月11日】

◎市民グループ 組織の壁突き崩す 熊本市長選挙 地方選挙

 新人の幸山政史氏(37)は草の根の戦いを挑み、現職の組織の壁を突き破った。推進力になったのは市民グループに広がった支援の輪だった。
 幸山氏陣営は個人後援会、大西一史県議ら少数の議員、そして県議時代に交流を深めた個人、市民グループ、県政勉強会などの市民有志が三本柱。
 幸山氏は「市民一人ひとりに直接語り掛けたい」と自覚的無党派層を意識し、辻立ちとミニ集会を続けた。政策や政治姿勢は市民から市民へ伝わっていった。
 福祉や環境、教育などのグループのメンバーは、それぞれが集会を開いたり、電子メールや電話で政策を広げたりして、独自に行動。選対幹部はあくまで三本柱の日程調整など"世話役"に徹した。その中心となった幸山氏の兄英史さん(40)は「候補者の考えを理解、共有し、自主的に動いた個人の集合体」と説明する。
 幸山氏の突然の出馬に呼応して動き出した高校同窓生の一人、山口潔憲さん(44)は「市民のためという政治姿勢が受け入れられ、組織に頼らず、いろいろな人たちがボランティア的に応援してくれた」と分析した。


熊本日日新聞 2002(平成14)年11月11日】

◎37歳、「刷新」託す 熊本市長選挙 「思い一つに」 幸山さん支持者歓喜 地方選挙

 「ウオーッ」「新市長の誕生だ」―。十日投票の熊本市長選を制したのは新人の幸山政史さん(37)だった。肩をたたき、握手し合う支援者ら。熊本市大窪の選挙事務所は興奮と歓喜の渦に包まれた。一方、三選を狙った現職の三角保之さん(62)。熊本市江越の選挙事務所は、思わぬ敗戦に重苦しい雰囲気に包まれた。
 午後十一時過ぎ。幸山さんの選挙事務所に当選確実の報が入ると、集まった大勢の支持者から、声にならないどよめきと割れるような拍手がわき起こった。「やったぞ」「バンザーイ」と喜びを爆発させる声が響き、抱き合って涙を流す女性の姿も。
 事務所に到着した幸山さんは、支持者にもみくちゃにされながら、選挙戦を支えてきた市民グループの代表らとがっちりと握手。妻の佳代子さん(37)とともに深々と頭を下げると、「皆さん一人ひとりが押し上げてくれた。市政を変えたいという私の気持ちと、変えてほしいという市民の気持ちが一つになった結果だ」と、顔を紅潮させ"勝利宣言"した。
 九月半ばの出馬宣言から二カ月足らず。幸山さんは政党や団体に頼らない草の根選挙を展開。圧倒的な組織力で三選をめざした現職を破る勝利に、個人の立場で応援してきた大西一史県議(自民)は「市政刷新を丁寧に訴えてきたことが評価された。新しい時代の政治を期待する市民の勝利だ」と興奮気味。環境問題などに取り組む市民グループの原育美さん(54)は「幸山さんは透明性のある市政をしてくれるはず」と笑顔で話した。
 幸山さんは「選挙を通して熊本の政治が変わっていくと実感している。公約である情報公開、住民参加の政治を、どんなに苦しくてもやり遂げたい」と市政運営に意欲をみせた。


熊本日日新聞 2002(平成14)年11月11日】

◎笑顔…実感わいてきた 激戦から一夜明け、幸山さんにお祝い続々 市役所には戸惑いも 熊本市長選挙 地方選挙

 十日投開票の熊本市長選で、現職を破り当選した新人の幸山政史さん(37)は一夜明けた十一日、朝から支持者からのお祝いの電話の受けこたえやあいさつ回りなどに追われた。
 午前四時に帰宅して睡眠時間は一時間半という幸山さん。同七時ごろ、紺のスーツ姿で玄関先に現れると「当確が出た瞬間は信じられない思いもあったが、新聞やテレビの報道を見てだんだん実感がわいてきました」と笑顔。「二、三日旅行に行ってのんびりしたいけど、そうも言ってられない」と、市政のかじ取りを担う重みから口元を引き締めた。
 その後、いつも通りに小学二年の長男の登校を見送ると、パンとヨーグルトの軽い朝食を取り、慌ただしく、選挙長や支援者へのあいさつ回り。自宅には午前六時前からお祝い電話がひっきりなしにかかり、妻の佳代子さん(37)が応対に追われた。
 一方、現職の落選から一夜明けた熊本市役所。普段と変わらぬ執務風景だったものの、各フロアでは職員らが「信じられない」とささやき合う姿も見られ、"主"の交代の戸惑いと、深夜に及んだ開票作業の疲れも重なり、重苦しい雰囲気を漂わせた。
 後藤勝介、福島靖正の両副市長と森高聖之収入役は午前九時半から五階会議室で緊急三役会議。「職員に、混乱なく粛々と業務にあたるよう徹底することを申し合わせた」(後藤副市長)
 来年度予算編成に向けて十二月の局長査定、一月の市長査定を予定していた企画財政局。幸山さんが選挙戦で「優先順位をつけた予算の重点配分」を訴えていただけに、同局幹部は「一カ月後の新市長就任まで従来の手順で粛々と作業を進めるが、その後に新市長がどういう考えを示すのか」と不安をのぞかせた。
 ●おべっか使わない頑固者 新熊本市長の素顔
 十日の熊本市長選で新市長に選ばれた幸山政史さん(37)。県議時代からの盟友で、"手づくり"選挙を支えた一人の大西一史自民県議(34)は「優しい顔に似合わず、愛想笑いも、上手口やおべっかも使わない。頑固な人」と評する。
 "優しい顔"になるのは八の字型のまゆ毛。親しい仲間からは、時計に例えて「八時二十分」と呼ばれることも。
 頑固さは、北部中、済々黌高時代の野球部活動で磨きがかかった。六年間、レギュラーにはなれず、練習では「ノッカー」、試合では「三塁コーチ」。それでも最後まで野球を続けたことが「その後の人生の自信につながっている」と幸山さん自身の弁。
 九州大を卒業して日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)に入行。一九九五(平成七)年の県議選出馬まで五年半勤めた。妻の佳代子さん(37)は、同行時代の同僚で、「グループ交際が発展して」結ばれた。今は二男一女の五人家族。
 実家は同市貢町の三宝大荒神社。「西浦の荒神さん」と言う方が通りがいいかもしれない。父親は元自民党県連幹事長の繁信さん(70)。


熊本日日新聞 2002(平成14)年11月9日】

◎「最後のお願い」熱っぽく 熊本市長選ラストスパート "勝負服"で訴えの三角さん "草の根"を強調の幸山さん 地方選挙

#熊本市長選挙
 任期満了に伴う熊本市長選は九日、選挙戦最終日を迎えた。無所属現職で三選を目指す三角保之さん(62)と、無所属新人の前自民県議、幸山政史さん(37)は、選挙カーから支持を呼び掛け、各地の集会や街頭演説などで「最後のお願いです」と訴えた。
 三角さん陣営の遊説隊は午前八時、同市江越の事務所をスタートした。三角さんは「勝負服」というお気に入りの青いスラックス姿で登場。見送りに来た女性支持者らに「告示日前まで公務だったので、むしろ今が本調子。残り少ない時間、精いっぱい頑張ります」と意気込みを語った。
 選挙カーで市中東部の住宅街を回った後、午前十時から平山町のパークドーム熊本で推薦を受けた市保育園連盟の体育祭開会式に出席。鉢巻き姿の保育士ら約千人を前に「子どもたちにトラブル解決能力を付けてもらうことが重要。子どもに対する施策に今以上に取り組んでいく」と訴えた。
 幸山さんも午前八時、同市大窪の事務所で「悔いのないよう頑張ります」と、告示前から続けてきた辻立ちに出発。主地盤の北部地区を回った後、新町電停やJR熊本駅前などで演説した。
 黒いスーツに黄色のネクタイ姿で、「組織戦で勝ってもその組織の方を向いた政治になる。だから私は市民一人ひとりに語り掛ける草の根の戦いを選んだ」と強調。「市政に市民の意見を反映させるため、住民投票条例の制定を目指す」と懸命に訴えた。
 民主党の松野頼久衆院議員や自民党の大西一史県議らも同行。選挙カーから大きく手を振って支持を呼び掛けた。


熊本日日新聞 2002(平成14)年11月4日】

◎熊本市長選挙告示 2候補「続投を」「刷新を」 冷え込みの中、気勢 地方選挙

 3日告示された21世紀に入って初の熊本市長選。立候補届け出を済ませた2陣営は、小雨交じりの冷え込みのなか、出陣式や街頭演説などで気勢を上げた。10日の投票日まで県都各地を回り、支持を訴える。
     ▽                 ▽
 ●三角さん 「やさしい街」実現する時だ
 無所属現職の三角保之さん(62)は午前九時半から熊本市井川淵町の藤崎八旛宮で出陣式。各種団体や地域後援会の名前が書かれた色とりどりの多数の旗が掲げられた。
 三角さんは「『人にやさしく、地球にやさしく』を基本理念に、市民の安心と安全を確保する施策を実行してきた」と実績を強調。「八年前に掲げた夢を実行に移してきた。いよいよ実現させる時だ。九州の行政の中心地を目指し、緑、水の素晴らしさを生かした『ホッとする街』をつくりたい」と続投を訴えた。
 壇上には橋本聖子参院議員(自民)のほか、自民、公明、保守各党の県関係国会議員と県議、市議、自主投票の民主党からも本田良一参院議員や市議が顔をそろえた。
 八年前の市長選で三角さんと戦った木村仁自民県連会長と米満弘之熊本機能病院長も応援に駆け付け、融和ぶりをアピール。あいさつに立った米満氏のマイクの調子が悪くなると、三角さんはすかさず駆け寄って自ら調整する気配りも。
 式後、三角さんは緑のジャンパーを着て選挙カーに乗り込み、市内一円を巡った。
 ●幸山さん 次世代のためしがらみ断つ
 無所属新人の幸山政史さん(37)は午前九時から熊本市貢町のフードパル熊本イベント広場で出陣式。「きょうは幸山さんと佳代子夫人の結婚十周年の記念すべき日です」という紹介があり、和んだ雰囲気の中で始まった。
 幸山さんは第一声で、「民間が血のにじむ努力をしている中、市役所がぬるま湯体質のままではだめだ。次世代のために今、市政を変えなければいけない。しがらみを断ち切り、皆さんの声を大事にして市役所の中で戦う」と市政刷新を強調。
 雨が降り始めても、幸山さんが「もうちょっと話をさせて」と語り掛けると拍手が沸いた。
 応援演説では、松野頼久衆院議員(民主)、大西一史県議(自民)らがマイクを握った。渡辺利男県議(県民ク)は「長いものに巻かれない政治家がそろった」、平野みどり県議(同)は「草の根対既得権益ぶらさがり組織の戦い」と強調し、支援を訴えた。
 濃紺のスーツ姿の幸山さんは、支持者にもみくちゃにされながら選挙カーに乗り込み、武蔵ケ丘団地などで演説。午後は市中心部に移動し、辛島公園で演説会も開いた。


熊本日日新聞 2002(平成14)年10月27日】

◎対決、'02熊本市長選=一騎打ちへ陣営に熱 告示まであと1週間 地方選挙 市長選挙

 熊本市長選が十一月三日の告示まで一週間に迫った。立候補を表明している現職で三選を目指す三角保之氏(62)と、前自民県議、幸山政史氏(37)の一騎打ちとなる公算が大。両陣営の動きは一層熱を帯びてきた。
 三角氏には自民、公明、社民、保守の各党と連合熊本が推薦、支持を決め、市議も自民党を中心に九割以上が応援する。各種団体の推薦も県建設業協会など約二百に上り「組織固めは順調だ」と陣営幹部。
 ただ三角氏は公務が詰まっているため、活動の主体は妻の恭須子さん(61)ら親族、高校同窓会、保守党・野田毅党首の後援会など。
 三角氏も公務終了後、自民党県議・市議らが主催するミニ集会に出席。熊本城復元整備など二期の実績を強調し、「政令市移行や新幹線開業を控えた重要な時期で、引き続き市政のかじ取り役を務めたい。教育、児童福祉にも力をいれていきたい」と訴えている。
 一方、幸山氏は政党や団体に推薦願を出さず、無党派層に照準を定める。街頭演説と対話式のミニ集会を精力的にこなし、「市政はこのままでいいのか。徹底した情報公開と住民参加で市役所のなれ合い体質を打破し、市民や市職員、市議らと緊張感あるパートナーシップを築いて熊本を変える」と訴える。
 大西一史氏(自民)ら県議三人に加え、民主党の松野頼久衆院議員も全面支援。地元・旧飽託四町の後援会は、無党派層を狙って東部地区にも活動の輪を広げる。
 県議時代から交流があるボランティア団体などの動きも活発化。陣営幹部は「市民一人ひとりのネットワークが着実に広がっている」と話す。


熊本日日新聞 2002(平成14)年10月26日】

◎対決、'02熊本市長選=幸山氏が総決起大会 地方選挙 市長選挙

 十一月三日の熊本市長選告示まで一週間余りに迫った二十五日、出馬を表明している前自民県議の幸山政史氏(37)は総決起大会を開いた。一方、現職で三選を目指す三角保之氏(62)は市議の勤続表彰記念パーティーに出席、主催者らの激励を受けた。
 県立劇場であった幸山氏総決起大会には、後援会やボランティア団体、全面支援する大西一史(自民)、平野みどり(県民クラブ)両県議らの後援会関係者など約二千五百人が参加した。
 幸山氏は「真っ先にやらなければならないのは情報公開と住民参加。市民が理解できる形で公開するのが本当で、ただ制度をいじり行政資料を出すだけでは情報公開とは言えない」と強調。「しがらみを断ち切って新しい政治の流れをつくるために勝ちたい」と声を張り上げた。
 応援演説では、大西、平野、渡辺利男(県民クラブ)の三県議のほか、衆院熊本1区選出の松野頼久議員(民主)がマイクを握った。同大会での演説が正式な支援表明となった松野議員は降壇後、「臨時国会中だが、十日の投票日まで国会活動は最小限に絞り、全面支援する」と語った。
 一方、三角氏は同日夜、市内のホテルであった自民党県連副会長の紫垣正良市議の勤続表彰記念パーティーに出席。あいさつに立った三角氏は市長選には一切触れなかったが、紫垣市議が「三角市長は人柄が素晴らしく、対外的に市をPRするセールスマンとしても頑張っている」とエールを送った。


熊本日日新聞 2002(平成14)年10月6日】

◎対決、'02熊本市長選=現職の政治姿勢を批判 幸山氏が事務所開き 三角氏、着々と組織戦

 十一月三日の告示日まで一カ月を切った熊本市長選。共産党が候補擁立を見送ったことで、現職の三角保之氏(61)と前自民県議の幸山政史氏(37)の一騎打ちの公算が濃厚になった。幸山氏は五日、後援会事務所開きで市政刷新を訴えたのに対し、三角氏陣営もミニ集会で実績を強調するなど、両氏の対決姿勢が鮮明になってきた。
 幸山氏は九月下旬に同市大窪二丁目に事務所を設けていたが、五日の事務所開きは決起集会第一弾との位置付けもあり、数百人が集まった。
 幸山氏は、市長交際費問題を取り上げ「(使途の)公開は税金を預かっている以上当然。(指摘されるまで)なぜそれができなかったのか。公私混同があったからだと思う」と切り込み、「市長は市民に監視されている、そういう気合いで取り組まなければ市政の信頼回復はできない。現職は市民のほうを向いていない」と批判した。
 三角氏を推薦した自民党に所属する大西一史、民主・社民系の平野みどり両県議も演説。会場には民主党県連の松野信夫副代表の姿もあり、幸山氏が「みなさんが政党の立場を超えて個人として動いている」と、市民派を強調した。
 一方、三角氏は五日、大臣表彰を受けた福祉関係者の祝賀会出席など主に公務をこなした。幸山氏の動きについて、三角氏は「市民のみなさんが(選挙で)判断することだ。こちらはマイペースでやるだけだ」と淡々。
 ただ、同市江越一丁目の後援会事務所には支持者が頻繁に出入りし、パンフレットや同氏の名刺も多数準備され臨戦態勢。後援会幹部たちは校区別のミニ集会に手分けして出席するなど、「主」の代理役を精力的にこなした。
 幹部の一人は「三角市長も八年前、市民党的立場で誕生した」と対抗意識をあらわにした。


熊本日日新聞 2002(平成14)年9月30日】

◎急転、'02熊本市長選=「組織」の三角氏VS「草の根」幸山氏 選対の違いくっきり 熊本市長選挙 地方選挙

 十一月三日告示、十日投開票の熊本市長選に名乗りを挙げている現職、三角保之氏(61)と、前自民県議、幸山政史氏(37)。両氏は連日、会合出席に走り回っているが、ここにきて「組織の三角陣営」と「草の根の幸山陣営」という両氏選対の違いが浮かび上がってきた。
 三角氏陣営は無風選挙が一転したことで、八年前の初当選時につくった校区別後援会の再編に急きょ取りかかっている。支援を受ける野田毅保守党首や保守系市議・自民県議の後援会が母体になる見通しだ。
 二十七日夜には早速、市花園市民センターで花園校区後援会の総決起大会を開催。互いの地盤は競合するが、ともに三角氏支持を決めている自民党市議団と平成クラブの二市議が"呉越同舟"で出席。「隣町(幸山氏の地元)からの敵の攻勢を食い止めなければならない」と地域の結束を呼び掛けた。
 野田党首夫妻も出席し、野田氏は「熊本市が政令市をめざすならば、なおさら人脈、力量がある三角氏が市政をやるべきだ」。三角氏も二期の実績を強調し「何とか、あと一期させてほしい」と訴えた。今後も同様の校区別集会を開いていく方針だ。
 一方、二十八日夜、同市大窪二丁目の後援会事務所であった幸山氏選対の初会議。県議時代の旧飽託四町の後援会組織を除くと、県政についての学習グループや同級生、学生など顔触れはさまざま。互いの自己紹介からスタートし、「ゲリラ戦で戦う」「知人らにまず、市長選への関心を持ってもらう」。
 議員では、大西一史県議(自民)に加え、平野みどり県議(県民クラブ)が二十九日の幸山氏の辻立ち演説で、"独自支援"を表明した。しかし、自民市支部は既に三角氏推薦を決定。平野氏が近い民主党と社民党、連合熊本も三角氏推薦を検討中で、ともに政党・支持母体の枠組みを飛び出しての支援という形。
 幸山氏陣営は、市街地での辻立ちやミニ集会などでこうした「既存の枠組みに挑む選挙」を強調。個別支援の輪の広がりを訴えていく構えだ。


熊本日日新聞 2002(平成14)年9月28日】

◎急転、'02熊本市長選=三角陣営、正攻法の「組織戦」へ 自民支部推薦 "相乗り"崩壊を懸念 熊本市長選挙 地方選挙

 十一月三日告示の熊本市長選で、自民党市支部が二十七日、既定路線通り、現職の三角保之氏(61)推薦を決め、党県連も追って推薦する見通しになった。前自民県議の幸山政史氏(37)が党を飛び出して参戦したことで、党内には一時、党分裂や政党批判の高まりを心配して、「支持」などにトーンダウンしようという意見もあった。しかし党市議団には、共産を除く各会派相乗りの構図が崩れることへの懸念が根強く、自民が主軸となる三角氏の陣営は、正攻法の「組織戦」で選挙戦に臨むことになった。
 同日の市支部役員会で、島永慶孝支部長が提案した「三角氏推薦」に、市議、県議から異論は出なかった。会場には、既に三角氏の推薦状が準備されていた。
 市議会最大会派の自民党市議団(二十二人)は三月に三角氏支持を決定。平成クラブ(九人)や民主党、社民党系のくまもと21(八人)、公明党(七人)も支持の方向で、各会派とも無風の市長選とみていた。
 ところが、九月半ばになって突如、幸山氏が市長選出馬を表明し、自民党の市議や県議に衝撃を与えた。来春の統一地方選を控え、各後援会内が「三角」「幸山」で割れかねないからだ。
 さらに、同じ自民若手の大西一史県議が幸山氏支援を公言。党県議団に一時、「県議がすぐ三角氏でまとまる状況ではない。市民党を掲げる相手に自民党が前面に出ては三角氏も不都合だ」(八浪知行県議)との声も浮上。九月四日に三角氏が出した推薦願も保留扱いになっていた。
 これに対し、党市議団は「自民から対立候補が出たからといって、三角市政を支えた主力の自民が推薦しないとなれば、他党会派も推薦する理由がなくなる」「不確定要素がある無党派層に目を向ける前に、各組織を着実に固めるべきだ」(嶋田幾雄団長)と主張。再び「三角氏推薦」にかじが切られ、市支部役員会決定に至った。
 役員会の後、村上寅美県議は「私の地盤・河内地区には幸山氏にゆかりがある人も多い。もし自民が自主投票ならば、幸山氏で動かざるを得なかった」と打ち明け、「党が推薦を決めれば、私のような立場の市議や県議にも三角氏をする大義名分ができる。今後、幸山氏を支持する動きは出ないだろう」とみる。
 支部役員会では、離反した形の大西県議の処遇についても市長選後に先送りした。「選挙前に処分の話が出れば、有権者には離反者が悲劇のヒーローに映る。無党派層の風はあなどれない」(島永支部長)との計算が働いたためだ。


熊本日日新聞 2002(平成14)年9月27日】

◎自民党市支部、三角氏を推薦 熊本市長選挙 地方選挙

 自民党熊本市支部(支部長・島永慶孝市議)は二十七日午前、同市内のホテルで役員会を開き、十一月三日告示、同十日投開票の熊本市長選で、三選を目指す現職、三角保之氏(61)の推薦を決めた。
 党所属の市議、県議二十五人が出席。冒頭、市長選の対立候補である前自民県議、幸山政史氏(37)の支援をすでに表明している大西一史県議は「これまで共に改革を進めてきた仲間の幸山氏を応援する。党の決定前に態度を決めた点ではご迷惑を掛けた」と発言、退席した。残りの出席者は全会一致で三角氏の推薦を決めた。
 市支部は同日、党県連に推薦決定を報告。県連は三十日の役員会で三角氏を推薦する見込み。
 同市長選では、市議会最大会派の自民党市議団(二十二人)は今年三月、「三角氏はまだ若く、政令市に向けた取り組みなどの諸問題には、現体制で臨むべきだ」として、三角氏支持を決めていた。


熊本日日新聞 2002(平成14)年9月26日】

◎県プラン策定 再編、淘汰へ向かう建設業界 優良業者を優先支援 [解説]

 県が「県建設産業振興プラン(仮称)」の来年度中の策定を決断した。長引く経済低迷と公共事業の縮減で、県内建設業界も再編と淘汰(とうた)の時代を迎える中、県も技術的に優れた優良業者の生き残りを優先的に支援する環境づくりに迫られたといえる。
 一方で建設業界には、度重なる談合事件やペーパーカンパニーなど、内部に不良不適格業者が存在する不透明な実態も指摘されている。
 二十五日の定例県議会。一般質問した建設常任委員長の大西一史氏(自民)は、全国一律の基準である経営事項審査(経審)の評点を上げるため、建設工事高の水増しや経営状況の粉飾が業界内で横行している可能性を指摘。
 一例として、県の格付けがBクラス以上で、昨年四月以降に倒産した四十一社のうち、経営状況を示す評点が県内平均(八百点前後)を超えていた企業が半数以上の二十五社に上ることを挙げた。
 こうした不正を防止するため、県もこれまで非公開だった格付け基準を来年度から公開。さらに、経審の虚偽申請や暴力団関連企業の排除には県警と協力して厳格に対処するなど、プラン策定に先行して新たな対応に踏み切る。
 業界の公正化、透明化のためには「制度で縛るしかない。談合対策も当然、プランに盛り込む」と土木部幹部は漏らす。
 プラン策定後、県、業界団体、企業の三者は年次目標を定めた行動計画を作るが、プランで示す業界健全化の理念が実現するかどうかは結局、発注者の県、団体、各企業それぞれの自浄努力にかかっている。(政経部 宮下和也)


熊本日日新聞 2002(平成14)年9月26日】

◎建設業界を公正・透明化 県がプラン策定に着手

 県は二十五日、県内建設業界の公正化、透明化と健全育成を進めるため、来年度中をめどに「県建設産業振興プラン(仮称)」を策定することを明らかにした。入札、契約の透明化や適正な施工体制の確保など各種の指針を定め、優秀な技術力を持つ企業が発展できる環境を総合的に整備する。これに先立ち、新たに入札参加業者の格付け基準の公表や、県警と連携した暴力団対策の徹底なども打ち出し、業界の構造改革に取り組む。
 九月定例県議会で、自民党の大西一史氏(熊本市区)の一般質問に今坂堅三土木部長が答えた。同プラン策定は岩手県などに次いで全国四番目。公共事業の縮減と民需低迷で、県内建設業界の経営環境は悪化しているが、県はこれを機に不良不適格業者の排除を推進する。
 プランは、入札適正化法に基づき県土木部が取り組んできた(1)人材育成(2)談合対策など入札、契約手続きの透明化(3)適正な施工体制の確保(4)不良不適格業者の排除―などを明文化。全国一律の経営事項審査の点数をはじめ、客観的な指標に基づく公正な競争体制を確保し、技術的、経営的に優れた企業を支援する姿勢を明確にする。
 また、いわゆるペーパーカンパニーや暴力団のフロント企業など、不良不適格業者を制度的に排除するため、建設業法に基づく建設業許可や経営事項審査点数の虚偽申告に対しては、より厳しい姿勢で対処する。このため@十月から土木部監理課への県警警部補の出向A建設業法違反の疑いがある業者に対する立ち入り検査B来年度から県発注工事入札参加業者の格付け基準公表―などに踏み切る。
 こうした方針に沿って、県は今年から国に合わせて十一月を施工体制重点点検月間と定め、技術者の有無や元請け・下請け体制のチェックなどを強化する。
 県内建設業許可業者数は今年三月末現在、七千九百六十三社。二〇〇〇(平成十二)年の八千二百三十社をピークに淘汰(とうた)が進んでいる。


熊本日日新聞 2002(平成14)年9月26日】

◎電子自治体へ検討会 県議会一般質問 全市町村で立ち上げ 地方議会

 九月定例県議会は二十五日、一般質問を続開。自民党の大西一史氏、藤川隆夫氏(熊本市区)、無所属の土屋歳明氏(人吉市区)が電子自治体の構築などを聞いた。田島淳志企画振興部長は、市町村の情報システムの共同化に向けた検討会を九月末をめどに立ち上げる予定を明らかにした。
 【電子自治体】大西氏が「市町村が電子自治体を構築するには、情報システムの共同運用が一番の早道では」と県の見解を求めた。田島企画振興部長は「システムの共同化はコスト、人材、技術面などからも導入がより容易で、前向きに取り組みたい。検討会を全市町村の参加を得て早急に立ち上げるため、準備を進めている」と述べた。
 【重度心身障害者の訪問看護利用料への助成】藤川氏が「九州では本県だけ、訪問看護を利用する際の利用料が助成の対象になっていない」と指摘。中村義彦健康福祉部長は「訪問看護利用料については、市町村とともに十分調整しながら、早急に検討していく」と答えるにとどめた。
 【学校評議員制度】大西氏が導入状況を尋ねた。田中力男教育長は「県立学校はモデル的に十校導入し、来年度はさらに五校増やす。市町村教委は二十八市町村の二百四十校が導入し、来年度は新たに二十四市町村が導入する予定」と説明。「開かれた学校づくりを推進する上で重要な制度で、導入を促進していく」方針を明らかにした。
 【無登録農薬】土屋氏が「食の安全をどう守っていくか」と質問。潮谷義子知事は、無登録農薬を一部のJAが販売していたことに「驚き、絶句した」と感想を述べ、「JAと連携して無登録農薬を使用しないという基本的なモラルを再認識し、消費者の視点に立って安全安心な農産物を生産し、出荷するという強い意識を持って対処する」と答弁した。


熊本日日新聞 2002(平成14)年9月21日】

◎激震、熊本市長選(下)=さまざまな思惑 先々の選挙にらみ複雑に [連載] 熊本市長選挙 地方選挙

 「止めはしたが、しょうがない。よほどの友情関係にあるのだろう」。自民党衆院議員の園田博之(熊本4区)が、系列の同党県議・大西一史(34)=熊本市区=を評した。大西が熊本市長選で、自民党を離党して出馬表明した前県議の幸山政史(37)を支援すると二十日、明らかにしたためだ。
 ただ、三選を目指す現職市長の三角保之(61)は一九九八(平成十)年の前回市長選に続き、今回も自民、民主、公明など県内各政党に推薦願を提出。共産党を除き、同市議会各派の支持もほぼ取り付けている。
 所属する自民党の態度決定に先駆けて幸山支持を打ち出した大西だが、園田は「こちらにも(三角との)友情がある。三角を全面支援する」と、自らの立場を明示した。
 熊本市議の一人は大西の決断に理解を示しながらも「党を出ていってもらうことになるかもしれない」と漏らし、「少なくとも県議選は応援できない」。いち早い幸山支持表明は、大西にとっても重い決断になった。
         ◇              ◇
 十一月三日告示、十日投開票の熊本市長選は、来春の県議選、熊本市議選、さらに国政選挙や一年半後の知事選にも影を落とす。先々の選挙をにらんだ関係者の思惑は絡み合い、市長選の行方を複雑にする。
 「ないない。絶対にない」。民主党衆院議員の松野頼久(熊本1区)は幸山との連携を尋ねられると、強い調子で否定を重ねた。
 幸山の父繁信は県議時代、頼久の父頼三が率いる旧松野派の重鎮として知られた。一方で幸山は自民党内で「将来の国会議員候補」と目された若手ホープの一人。熊本市を選挙区にする松野にとって、幸山の市長狙いは明らかに、将来の有力ライバルが消えることを意味する。
 松野は市長選について「今のところ全くの白紙。党の論議や支持者の意見を踏まえて慎重に態度を決めたい」と強調。幸山との関係も「決断に感動はしたが、連絡を取ろうとしたことはない」と、「仕掛け人説」を打ち消した。
 保守党党首の野田毅(衆院熊本2区)は「三角市政の誕生から長年、市議と一緒にバックアップしてきた」と三角との密接な関係を誇る。「県と市はかつてないほどうまくいっているし、中央との関係も悪くない。市長が代わる理由はない」
         ◇              ◇
 十九日の県議会棟。知事・潮谷義子は三角、幸山の二人とは「等距離の関係」と言い切った。「県政と県都・熊本市政は特に密接な関係。特定の人の支援はできない。各首長選でも、中立の立場を貫いてきた」
 だが、三角に近い野田の周辺は「知事は自分の選挙では三角の応援を受けておいて、借りは返さないつもりなのか」といら立ちを隠さない。
 潮谷は今年八月、熊本市西部地区の道路整備促進大会に、三角とともに出席した。大会は、衆院熊本2区の出馬が取りざたされる自民党衆院議員林田彪(比例九州)が支部長を務める同党第二選挙区支部の後援。会場はさながら林田の決起集会の様相を呈し、県幹部らを慌てさせた。
 「激戦になれば、人気の高い知事の支援を得ようという圧力は高まる。政治色が強かった八月の大会出席が前例にならなければいいが」。県幹部の一人がつぶやいた。

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