■ 関連報道記事 ■


私の議会活動に関連して報道されたもの(2001年6月以前のもの)です。


◆熊本日日新聞
 2001(平成13)年6月27日

戦々恐々、小泉改革(1)=看板 期待票めぐりせめぎ合い 決戦2001・参院選熊本 [連載] 参議院議員選挙

 六月十一日午後七時。荒尾市緑ケ丘のホテルのホールに、首相・小泉純一郎が「大好き」と公言する人気バンド「X―JAPAN」の「フォーエバーラブ」が流れた。
 その曲に乗って、支援者ら約五百六十人の前に姿を現したのは、参院選熊本選挙区(改選定数一)で再選を目指す自民党公認の三浦一水(47)。小泉ブームにあやかろうとする陣営の演出だった。
 熊本市水前寺の自民党県連に今月初め、小泉の顔をアップにしたポスター約二千七百枚が到着した。以来、直接買いに来る人が後を絶たない。「中学生から子供を抱いた母親、高齢者まで実に幅広い」と県連職員は「小泉人気」に目を丸くする。
 ■追い風一変■
 低支持率にあえいだ党総裁選前まで三浦は党への逆風を意識し、「叩(たた)かれても真っすぐ」と書いたポスターを使っていた。今は、小泉と二人三脚のポスターに変更、「挑戦に力を」と攻めに転じている。
 だが、党内に「順風満帆」とみる空気は少ない。県連青年部長・大西一史は「周りの有権者と話すと、小泉人気はあっても自民党に改革を期待する声は聞かない。現に首相のポスターを求める人たちが、『自民党の文字が入ってなきゃいいのに』と愚痴をこぼす」と警戒する。
 その小泉人気と自民党支持率とのギャップを突こうとしているのが、新人の香山真理子(47)を擁立する民主党県連。八日午後一時半、同市本荘のビルで、香山を推薦する社民党県連合や連合熊本なども一堂に会す総合選対の設立総会があった。最初にマイクを握った民主党県連代表・大江政久は強調した。
 「小泉政権になって民主党への追い風は一変した。しかし、首相はわれわれが思っていたことを言っている。小泉首相を支えたい人は民主党に投票してほしいと言いたい」
 自公保政権との全面対決を避け、首相と自民党の間にくさびを打ち込む戦術だ。
 ■危険な動き■
 新人の西川悦子(47)を擁す共産党県委員会の書記長・松岡徹は、この両陣営を痛烈に批判する。「自民も民主も小泉首相といかに近いかを競っている。しかし、小泉改革の中身は倒産と失業者を増やし、消費税を上げ、社会保障を切り捨てる。改革の対案を持っているのは共産党だけだ」
 新人の石田博文(60)で挑む新社会党県本部の委員長・岩中伸司も「小泉改革は弱肉強食の流れを推し進める危険な動き」とクギを刺す。
 ここにきて、民主党本部内にも「小泉政権との対決姿勢を前面に打ち出すべきだ」との意見が強まっている。二十四日の東京都議選で、小泉人気が自民党の得票増に結びついた現実を目の当たりにしたためだ。
 「民主をはじめ野党が攻めあぐねているのは事実」。自民党県連幹事長・島津勇典はそう言いながらも、不安を口にする。「知事選では潮谷義子、千葉の堂本暁子と女性の流れもある。改革への期待が自民党より女性候補に向かないか…」
 改革の「看板」をめぐって、各勢力のせめぎ合い、駆け引きは複雑さをを増している。
      ◇                 ◇
 高支持率の小泉政権誕生で、与野党の攻守は入れ替わった。しかし、地方の選挙区を見る限り、構図は単純ではない。むしろ、「小泉改革」の個別政策が輪郭を表すたびに、自民党の支持基盤は揺れ、与野党の賛否も入り乱れる。構造改革の内容や「純風」の風速に戦々恐々とする県内政党、その支持母体の姿は目前に迫った参院選を象徴しているようにみえる。(文中敬称略)


◆熊本日日新聞 2001(平成13)年6月17日

児童虐待の相談、144件 県内12年度 2年間で倍増

 県は十五日、十八歳未満の児童虐待の相談件数が二〇〇〇(平成十二)年度は百四十四件で、前年度より二十四件増え、九八年度(六十四件)から倍増していることを明らかにした。県議会一般質問で自民党の大西一史氏(熊本市区)に田中明健康福祉部長が答えた。
 県によると、熊本中央と八代の両児童相談所が受けた相談内容は、ネグレクト(養育放棄)七十九件、身体的虐待五十五件、心理的虐待七件、性的虐待三件。
 虐待を受けた年齢は、三歳から小学校入学前が最多の四十七人で、三歳までの三十六人と合わせて学齢前が全体の57・6%を占めた。主たる虐待者は実母が九十三人で、全体の64・5%だった。
 昨年十一月、虐待の定義や自治体の立ち入り調査権、国民の通告義務を明示した児童虐待防止法が施行されており、相談の半数近い六十二件が法施行後に寄せられた。
 県は今年から児童相談所のスタッフを増員、児童のケアにあたる心理判定員や虐待を行った保護者をカウンセリングする精神科医を配置した。田中部長は「よりきめ細かな対応に努め、地域ネットワーク構築や積極的な立ち入り調査権の行使など早期の発見、保護にあたりたい」と述べた。


◆熊本日日新聞 2001(平成13)年6月17日

6月定例県議会一般質問 知事直属の政策調整部署 次期行革大綱で設置検討

 六月定例県議会は十五日、自民党の大西一史氏(熊本市区)と坂本哲志氏(菊池郡区)、無所属の荒木章博氏(熊本市区)が、行政改革や小泉内閣の改革路線について一般質問。潮谷義子知事は、今年中に策定する第三次行政改革大綱の中で、知事直属の政策調整部署の設置を検討する考えを明らかにした。
 【行政システム改革】大西氏は、第三次行革大綱「行政システム改革プラン」の策定に当たり、トップの意向を迅速に反映する政策調整部署の必要性を指摘。潮谷知事は「これまで職員を信頼し、意見交換する形で県政を運営しており、今後も同じ姿勢」としながらも、「知事直轄の部局横断的な政策調整セクションの設置を課題の一つとして検討する」と述べた。
 【地方財源】坂本氏は、小泉内閣が掲げる道路特定財源や地方交付税の見直しを懸念。「仮に見直すなら地方への税源移譲を担保しなければならない」と知事の意見を聞いた。知事は「道路特定財源、地方交付税の重要性は言うまでもない。国の財政難を地方にしわ寄せするなら問題」と述べ、県独自に分析や検証を進め、必要に応じて国に提言する考えを示した。
 【企業誘致】ソニーやサントリーの工場進出を受け、三氏とも今後の企業誘致の見通しや県全体の戦略を質問。守屋克彦商工観光労働部長は「今後、半導体関連企業を中心に十社程度の進出が見込まれる」と報告。知事は「IC関連産業の集積地として九州全体が連携、地域経済の活性化を図ることが必要」との認識を示した。
 【教育改革】荒木氏が学校週五日制と新学習指導要領の来年度導入に関し、「学校運営に当たる指導主事を全市町村教委に配置すべきだ」と県教委の見解を聞いた。田中力男教育長は「ぜひ必要」と述べ、指導主事未配置の七十九市町村教委に配置を強く要請していくと述べた。


熊本日日新聞 2001(平成13)年4月29日

視界不良・参院選くまもと

(1)漂える票田 読めぬ“風”の行方 無党派に政党苦慮

 十六日午前十時、熊本市画図町の国道57号沿い。自民党公認で再選を目指す三浦一水(47)の後援会事務所開きがあった。一年前のこの日、知事選で同党推薦の潮谷義子が勝利宣言した場所。三浦陣営は験を担いで、事務所開きを設定した。
 ■「その名だけは」
 集会の最中、祝電披露で首相・森喜朗の名が読み上げられた時、「その名前だけは読むな」。会場からはヤジが飛び、あちこちで失笑が漏れた。党支持者が最も忘れたい名前だったからだ。
 「逆風なら、英知を絞って(ヨットレースのように)ジグザグに風上に向かえばいい」。あいさつに立った自民党県連会長・木村仁は、「逆風」という言葉を何度も口にした。
 改選定数二の熊本選挙区で、自民党は長らく議席を独占した。定数一に減った今回の勝利は本来、困難ではない。それでも「逆風」を強調しなければならないところに、危機の深刻さがあった。
 二十四日、「解党的出直し」を掲げた自民党総裁選で、小泉純一郎が新総裁に選出された。この選挙で県連はいち早く党員による予備選実施を打ち出し、「開かれた党」のアピールに懸命になった。
 「地方のイニシアチブで党改革の流れを作った。参院選には大きなプラスだ」と木村。八日前とは打って変わり、口から「逆風」の二文字が消えた。
 しかし、内部には慎重な見方もくすぶる。同党県連青年部長で県議・大西一史は「総裁選は地方議員や党員のガス抜きにはなった。しかし、周りの有権者と話すと、『期待はあるが本当に変わるのか』との声が返ってくる。逆風は弱まってはいるが収まってはいない」と警戒を解かない。
 □本当の綱引き
 三月二十五日。民主党幹事長・菅直人が、県連大会出席のため熊本市を訪れた。「熊本のような一人区では、自民が取るか民主が取るかで、両党の議席差は二になる。一人区での戦いが死命を決する」。菅はそう力を込めた。
 ただ、香山真理子(47)を担ぐ民主、社民両党の関係者に、追い風が吹いているとの手ごたえは乏しい。社民党県連合代表の森川生朗はいら立つ。「民主、社民、自由と憲法観すら異なる政党が、選挙だけ共闘しているように受け取られている。共同の政権構想を打ち出さなければ、無党派層が政権を託す受け皿にはなり得ない」
 西川悦子(47)を擁す共産党の熊本市議・重松孝文は今、商店街などをくまなく回っている。その重松も「与党が進めた規制緩和の弊害を訴えると、『その通りだ』と反応がある。ただ、野党に託しても実現可能性を疑問視される。自民党と野党の間に無党派層の大きな票田が漂っている」と漏らす。
 政党苦戦は全国的に顕在化している。長野、千葉、秋田などの知事選では無党派層に軸足を置く候補が、政党の公認・推薦候補を退けた。
 「自民にも野党にも順風は吹いていない。ただ改革イメージの小泉政権発足で自民党員には、党から離れて無党派の仲間入りをした支持者を取り戻しに行こうという積極性が生まれている」。そう語る自民党県連幹事長・島津勇典は「これからが与野党の本当の綱引き」とみる。


◆週間政治レポート323(通巻657)号 2001(平成13)年3月23日発行

党再生は「対話」をキーワードに
大西一史・自民党県連青年部長 「解党的状況」に強い危機感


●党員と執行部に温度差

 -- 自民党に対する批判が党内外から噴出している。党大会に出席した感想は。
 大西 十三日の党大会と前日に開かれた全国青年部長・局長合同会議に出席し、党執行部から新しいビジョンが示されるだろうと期待していたが、見事に裏切られた。これだけ自民党が危機的状況に陥っているにもかかわらず、中央では依然派閥の論理に振り回され、国民の怒りや憂いをまったく理解していない。有権者と常に接している我々と党執行部の認識に温度差があることを痛感した。

 -- 党執行部は「解党的出直し」を強調しているが。
 大西 もはや「解党的状況」にあるとの危機感を抱いている。

 -- 今の自民党には何が必要なのか。
 大西 まずは“対話”だろう。対話の中からこそ新しい発想が生まれ、新しい政策もできる。党大会でも紛糾することを恐れずに党員の意見を聞くべきだった。党執行部は逃げの姿勢ではこの難局を乗り切れないことを理解しているにもかかわらず、身動きがとれないでいる。そのことに強い憤りを感じる。

 -- 新総裁はどのような方法で選出されるべきか。
 大西 首相公選制が議論される時代なのだから、少なくとも党員が選んだと実感できる方法で選出すべき。この総裁選挙の方法は、党を改革する大きなチャンスだ。

●パッケージを変えるだけでは意味がない

 -- 総裁が代わるだけで党の信頼回復につながるのか。
 大西 今の自民党が置かれている状況は、総理が代われば信頼回復できるようなレベルの話ではない。例えていえば、皆がキャラメルの味や質にこだわっているのに、パッケージだけを変えても意味がないということ。時間がかかっても味や質を変えなければ、自民党という商品は売れない。
 今から抜本的な党改革に取り組んだとしても、参院選に間に合わないかもしれない。もちろん参院選に勝利することは重要だが、参院選のために党改革をするのではない。総裁選や参院選が党改革を進めるバネになるということだ。

 -- 現行の総裁選規定では国会議員と都道府県連がそれぞれ一票を持ち、党員票は一万票で一票にカウントされる。
 大西 これでは派閥力学で新総裁が決まってしまう。だから党全員、党友による選挙で新総裁を選出すべきだ。それが無理でも派閥力学をできるだけ排除した形で総裁選が実施されることを望む。例えば、地方議員や各県連の青年部局、女性部に一票を与えるなど、投票権の枠を拡大することも一つの方法だろう。もちろん国会議員とのバランスもあり、新しいことに取り組むのは勇気がいるが、そこまで踏み込まなければ党再生は図れない。

 -- 派閥の体質も以前とは変わってきているのではないか。
 大西 昔は田中内閣が金権批判で退陣した後に清潔さを前面に打ち出した三木内閣にシフトするなど、党全体に懐の深さと幅があり、各派閥にも政策の軸があった。ところが今は各派閥が政策で切磋琢磨する状況ではなく、数と欲のための存在としか受け止められない。今回の総裁選で候補者が政策を明示し、党員から選ばれれば、派閥も本来の政策集団としての機能が果たせるとの期待感もある。

●総裁選「派閥力学の排除を」

 -- 県連青年部長として総裁選の方法を働き掛ける用意は。
 大西 全国青年部長・局長合同会議でも「派閥力学が影響しない形で新総裁を選出できるよう、党規の見直しを含めて検討してほしい」と強く要望した。党大会に代議員として出席する際、青年部のメンバーから意見を聴取し、党員の一人一票による投票や立候補の条件になっている国会議員三十人の推薦数緩和などを集約した。九州ブロックの青年部局長会議が開かれるという話もあるので、再度熊本の意見を取りまとめている。

 -- 新総裁には野中広務氏や小泉純一郎氏などが取りざたされているが、誰が総裁にふさわしいと考えるか。
 大西 小泉氏は改革を実行する力があると思うが、問題は選出方法。もちろん人物も重要だが、今の自民党にはその選出方法がもっと大切だ。世論調査などではイメージとして歯切れがよい田中真紀子氏を推す声が多いようだが、政策的なビジョンが見えない。例えばダークホース的な存在として、堀内光雄・元通産相などは大臣時代に自分が役員を務める団体などいわゆる身内に対しても厳しい政策を実行するなど、思い切った改革ができる人だと思う。

 -- 総裁選の時期も様々な思惑によって確定していない。
 大西 時期は選出方法によっても変わってくる。党員投票であれば当然時間がかかるが、それでも民主的な方法で選出すべきだ。

 -- 九月に再度総裁選挙を実施するとの報道もあるが。
 大西 それは総裁選の前倒しとはいわない。そんなことをしたら地方の現場は大混乱する。

●一時的なパフォーマンスは見破られる

 -- 逆風の中、参院選で支持を集めるためには何が必要なのか。
 大西 やはり対話型の選挙だと思う。「私達に任せてくれ」だけでは支持は得られない。「私達はこうやっています」と情報を公開しながら、常に有権者と対話をしていくことが必要だ。

 -- 具体的には。
 大西 県連が友好団体ごとに獲得目標をお願いし、合計が自民党候補の得票になるという従来型の選挙では通用しない。有権者の生の声を吸収し、政策に反映させていく中で選挙への協力をお願いしなければならない。県連の新体制がスタートして以降、部会活動を活性化させたこともあり、まずは友好団体との意見交換を密にして党や候補者を充分理解してもらう。時間がかかっても対話の中で党改革の姿勢を示し、理解を得ていくべきだ。
 -- 候補者の活動も従来通りでは支持が得られないということか。
 大西 一時的なパフォーマンスは有権者からすぐに見破られてしまう。だから、例えば三浦氏が各地域で対話集会を開き、それを継続していく。時間がかかっても地道に、丁寧に三浦氏の政策や人柄を有権者に理解してもらうしかない。我々も有権者にメッセージを伝える手足となって応援する。

 -- 県議の役割もこれまでの選挙とは変わってくるのではないか。
 大西 昨年の知事選や衆院選を通して、もっと丁寧に有権者へのメッセージを発信すべきだと痛感した。約四十人もの党所属県議が各地域で自覚を持ってそれに取り組めば、有権者の理解は得られると思う。党に対する危機感は若手、ベテラン問わず共通意識になっている。ベテラン議員は以前の自民党の良さを知っているだけに、現在の自民党に対する危機感はより強いのではないか。

●明確なビジョンが選挙戦のポイントに

 -- 無党派層対策については。
 大西 どの政党も無党派層の実態をつかめていないのが現状ではないか。基本的には組織に属さない有権者に情報を届け、そういう人達が求めているものを拾い上げることが必要だ。無党派層にとっては、現職の候補者だからといって知名度で新人候補を大幅にリードしているとは考えにくい。逆にいえば、固定化されたイメージがないだけに三浦氏の情報提供が重要になる。

 -- 民主党、あるいは香山真理子氏の脅威を肌で感じるか。
 大西 自民党への逆風を考えれば、民主党は大きな脅威だ。しかも香山氏には一年前の参院補選で三十二万人もの有権者が投票しているし、テレビ局のアナウンサーとしての知名度もある。
 ただ、自民党に逆風が吹いている一方で、民主党も明確なビジョンを打ち出しているとは思えず、政権を任せることに疑問を持っている国民は多いと感じる。そこには自民党が自らを改革し、責任政党として復活する期待があると思うし、私自身もそう願っている。参院選では、どの政党が明確なビジョンを打ち出しているか、そしてそのビジョンに基づいて候補者が具体的に何をやっていくのかが選挙戦のポイントになるのではないか。

●農村部の逆風はより深刻

 -- 昨年の参院選では「1区現象」といわれたように、都市部で自民党の大物代議士が次々と落選した。次の参院選でも都市部では苦戦が予想されるが、熊本市選出県議としての認識は。
 大西 都市部の住民と日常的に接しているが、自民党に対する逆風を恐ろしいほど感じている。自分の支持者からも党に対する批判が出ているぐらいだ。

 -- 農村部での自民党に対する反応については。
 大西 都市部の逆風も深刻だが、農村部での逆風はもっと強烈だ。農村部は都市部に比べてインフラ整備や農業政策など生活に関連する環境が極めて厳しい。つまり、政治に対する不信や不満が生活に直結しており、都市部に比べてより具体的だ。これまで自民党とのつきあいが深いだけに、自民党への疑問は深い。ただ、民主党がその受け皿になっているとも感じられない。だからこそ自民党がしっかりと改革の方向性を打ち出し、それを有権者に丁寧に説明していかねばならない。

●自民党の改革が国民生活救う

 -- あなたが自民党に所属している理由は何か。
 大西 県政与党の自民党県議団に所属していることは、自分の意見が県の政策に反映される近道になっている。どんなにすばらしい政策を持っていても、それが実現されなければ絵に描いた餅でしかない。数がすべてではないが、自民党には長い歴史の中での政策的な蓄積や政策実現のシステム、そして都市部から農村部まで幅広い人材がある。私は初当選後の九ヵ月間を無所属で過ごした経験があるが、今の自民党を改革して政策を実現することが県民、国民の生活を豊かにする早道だと考える。

 -- これまでも自民党に逆風が吹いた選挙が何度もあった。今回の選挙はこれまでの逆風と違うのか。
 大西 現状はこれまでの「自民党にお灸を据える」というレベルを超えている。例えば平成元年の「消費税選挙」でも大逆風が吹いたが、それでも将来を見据えて消費税導入を実行したことが責任政党である自民党の存在価値だった。そういった逆風と今回の逆風とはまったく質が違う。国民に耳ざわりのいいことばかりではなく、国民の負担になることもしっかり説明し、理解を求めることが責任政党としての役割だ。


◆くまもと経済 2001(平成13)年4月号

逆風克服に秘策あり!? “三浦勝手連”始動へ (県内参院選情勢)


●永田町と地方に温度差

 「『解党的出直し』なんて言っていること自体、党執行部の認識の甘さを物語っている。既に自民党は『潰党的状況』に陥っているのに‥‥」。

 日増しに募る自民党への逆風。深刻な危機感を抱いて、三月十三日の党大会に出席した大西一史県議(党県連青年部長)は、その最も風上にある永田町に“台風の目”のような生ぬるい空気が澱んでいることを感じた。「キャラメルの味が問われている時代にどんなにパッケージを新しくしてもその商品が売れないのと同様に、総裁をすげ替えることが党の出直しにつながるとは思えない。その“選出方法”に象徴される党の体質を有権者は注視しているんです」。

 森首相の正式な「辞意表明」もなく、総裁選の時期も不透明なままに水面下で繰り広げられる後継選びのさや当て。選出方法は一般党員を含めた投票ではなく、従来通りの「国会議員と県代表による投票」となることが濃厚となった。「このままでは夏の参院選が思いやられる」という大西県議の嘆きを裏付けるかのように、三月二十五日の千葉県知事選で自民党は敗北。六月の東京都議選での苦戦も現実のものとなりつつある。

 自民党への強い風圧を身にしみて感じているのは候補者の三浦一水氏本人。三月十七日に菊地郡合志町で開かれた国政報告会では「森さんのことを話すと票が減りますので」と会場の笑いを誘った。一時間半という持ち時間の大半を費やしたのは、輸入農産物への対応や農業者年金削減の動きなどの農業政策。政局の話題が演説の枕にもならないことに、候補者として忸怩だる思いもある。「(自民党が)下野した時、あれほど派閥の弊害を反省したのに、党幹部たちはその時の謙虚さをすっかり忘れている。わが党も情けないが、かといって野党も口ばかり。政権交代が必要なら自民党を二つに割って緊張関係をつくればいい」と言い置いて車に乗り込んだ。

●二人三脚の相乗効果

 三月二十四日。「合同国政報告会」と銘打った菊池市文化会館のステージに松岡利勝衆院議員と魚住汎英、三浦の二人の参院議員が並んだ。松岡氏が「この三人のそろい踏みは熊本初公開」「昨日の敵は今日の友。これから手を携えて頑張りたい」と会場を沸かせながら、党内の一枚岩をアピールすれば、来賓の挨拶に立った上野松年・JA菊池組合長は「とかく批判はあるにしても、やはり頼みの綱は自民党の先生方。衆院は松岡、参院の比例区は魚住、選挙区は三浦とめでたく住み分けもできた。菊池の活性化のためにもこの三つの議席は絶対守らなければならない」と檄を飛ばすなど会場は総決起集会さながら。「比例区、選挙区の二つの議席を目指して今日がスタートラインになる」とこの企画を仕掛けた党菊地市支部長の前川收県議。「三浦再選委員会」の委員長も務める同県議は、自身にも気合いを入れるようにガンバローのこぶしを高々と突き上げた。

 「三浦・魚住の二人三脚で相乗効果を狙う」(木村仁・党県連会長)というのは、魚住氏復党を睨んだ同党参院選戦略の眼目の一つだった。三月十九日には県商工政治連盟(魚住会長)が三浦氏の推薦を決定。二十四日には県農業者政治連盟(坂本榮吉委員長)が魚住氏と政策協定を締結し推薦証を手渡した。たすき掛けの協力態勢は実動へ向けて、いよいよお膳立が整ったことになる。「とくに一議席を争う選挙区にとって、県内各地域に拠点がある商工会の支持を固めることの意味は大きい」。ある県連幹部は早くも当落ラインからの逆算を弾き始めた。

●「さやかの会」再び?

 三月十八日。熊本市の水前寺共済会館の一室で「くまもと新世紀を築く県民の会」が発足した。会長に選出されたのは元熊本青年会議所理事長の西釜茂文・西釜建設社長。約五十人のメンバーの顔ぶれは三十〜四十歳代が中心で、江口隆一、幸山政史、馬場成志、大西一史の四人の自民党若手県議や前熊本青年会議所理事長の下川寛熊本市議の姿もあった。舞台回しを務めるのは三浦参院議員の妹で、山鹿青年会議所理事長の三浦貴子氏。発足へ向けて準備を進めてきた同会議OBの長曽我部徹・クマラク専務は「県民の会はあくまで熊本の二十一世紀を真剣に考えるメンバーの集まりであり、参院選だけを意識したものではない。衆院選や各種地方選でも共鳴できる候補者を支援していきたい」とその主旨を説明。その念頭には昨年の知事選で潮谷当選の推進力となった「さやかの会」のイメージが重なる。

 同会の基本コンセプト案には「自民党批判も含まれてよい」「一見革新的政党かと思われるくらいの大胆さも求められる」「アメリカ大統領選挙をイメージする」などの文言が並び、会の「主体性」がうたわれている。発足式では(1)政治団体登録を前提とする(2)三浦氏の支援団体ではなく主体的な活動を進める(3)四月上旬にも参院立候補予定と対話集会を開き、候補者と政策協定を結ぶ---などの方針を承認したが、その後の「テーブルディスカッション」では無党派層への浸透方法や若年層に対する取り組みが議題となるなど、会場は“無党派対策本部”の様相。三浦候補自身も各テーブルの討論に加わり、さかんに「親しみやすさ」をアピールした。出席者から「政治家は概ね有力者や企業関係者にはぺこぺこするが、私のような一般庶民が名刺を渡しても歯牙にもかけない」「選挙事務所自体、若い人が出入りできる雰囲気ではない」などの意見が出されると思わず三浦氏が苦笑する場面もあった。

 三浦氏は「私はまだ四十六歳。民主党の香山さんより私が二ヵ月ほど若く、学年もひとつ下になる」とさりげなく“若さ”を売り込む。話題が自民党内の派閥抗争に及ぶと、「派閥に身を置く私自身、その弊害もまた十分わかっていながら、私一人の力ではどうしようもないという苛立ちを感じつづけている。自民党が再び政権を手放すようなことがなければ、派閥はなくならないかもしれない。その時は私も議席を失うかもしれないが‥‥」と苦しい胸の内を明かした。

 阿蘇郡から参加したという福祉関係者は「短い時間だったが、三浦候補の人柄に直接触れた気がした」と討論の成果を評価している。

●無党派向けイメージ戦略

 「どの政党も無党派層の実態をつかめていないというのが現状。彼らにとっては現職の候補だからろいって知名度で新人を大幅にリードしているとは考えにくい。逆に言えば固定化されたイメージがないだけに戦いやすい面もある」と語るのは前出の大西県議

 三浦氏といえば「故三浦八水元参議の後継者にして農業団体の組織内候補」というのが先行するイメージだが、「サラリーマン経験もある庶民派」「海外勤務の経験があり、夫人は中国人という国際派」「先端企業のソニーに勤務していたこともあり、IT分野にも精通している」「福祉施設の運営に従事し、福祉政策の重要性を身をもって知っている」など、これまではあまり目立たなかった側面が徐々にアピールされるようになった。そこには多面的なイメージ戦略を模索する三浦陣営の無党派対策が見え隠れする。

 参院選の勝敗を分けるキーワードは「対話」。大西県議はそう考えている。「責任与党にお任せ下さいという訴え方は限界に来ている。有権者に対して情報を公開し、対話を積み重ねながら理解を得ていかなければ」(同)。

 「熊本だけは負けられない」と引き締めに懸命の島津勇典・党県連幹事長は次のように語る。「選挙戦の帰趨を決めるのは自民党の政治姿勢と景気対策の効果だ。三浦氏は若くて清潔感があり、しかも真面目で候補者の資質としては申し分ない、民主党の候補者にはおよそ脅威は感じないが、気がかりなのは党を取り巻く世論の動き。これまでの常識であれば全く負ける要素はないのだが‥‥」。

(後略)


◆熊本日日新聞 2001(平成13)年3月18日

自民党 「地方で仕事するにはやはり…」入党希望続々 中央では逆風、それでも県議会は勢力拡大

 KSD事件、外務省幹部による機密費詐欺疑惑、森首相批判など自民党には全国的に強い逆風が吹いている。しかし、熊本県議会では無所属議員から同党への入党願が相次ぎ、最大会派の同党がさらに勢力拡大する見通しだ。入党希望の議員も受け入れる県連側も「地方で仕事をするには、やはり自民党でなければ…」と口をそろえる。(政経部・山口和也)
      ▽               ▽
 三月十二日午後、東京・永田町の自民党本部。全国幹事長会議と並行して全国青年部局長会議が開かれた。席上、亀井静香政調会長は、地方の党組織から森首相退陣要求が相次いでいることに触れ、「我々が選んだ総理を身内が引きずり降ろそうというのはおかしい」と諌(いさ)めた。
 これに対し、熊本県連青年部長の大西一史県議は発言を求め、「我々が選んだ実感がないからこそ身内から批判が上がる。地方の声を受け入れるオープンな選び方をすべきだ」と切り返した。大西氏の憤慨は、逆風に対する地方組織のいらだちを象徴している。
 ●「ポストが魅力」
 ところが、自民党は県議にはモテモテだ。現在、五十六議席(欠員一)中、同党は三十八だが、今議会中に議会内会派「無所属の会」の六人のうち土屋歳明(人吉市)、篠崎鐵男(宇土郡)、荒木義行(菊池郡)、長瀬恭祐(山鹿市)の四氏が、同党に入党願を提出した。
 土屋氏はその理由を、「地元支持者の中には『いろいろやりたいことがあっても、自民党にいないと実現しない』と助言する人もいる。逆風の中で入るメリットは少ないかもしれないが、政権党の重みはある」と説明する。一方、魚住汎英参院議員の復党が認められたため、同氏に近い県議が入党願提出に踏み切ったケースもある。
 同党県連の島津勇典幹事長は「入党を認めるかどうかは、地元党支部の意向を尊重しながら個々に判断する」としながらも、「もともと保守的基盤から選出された議員ばかり。自民党内で切磋琢磨(せっさたくま)しながら政治的力量を付けようという意欲の表れではないか」と話す。
 ただ、同党の古参県議は「魅力は第一にポストだ。県議会では正副委員長をはじめ多くのポストを自民党が占める。経験を積むにも選挙区に恩返しするにも、肩書きは重要だ」と解説する。
  ●受け入れ事情
 自民党側にも事情はある。党県議団は四派閥が入り乱れ、主導権争いを展開する構図。次期正副議長人事をめぐっても複数の名前が取りざたされ、水面下で綱引きが続く。「入党勧誘は、派閥に引き入れようという思惑も絡んでいる」と若手県議は明かす。
 さらに七月は参院選。「苦戦が予想される今回、自民党候補支援の県議を一人でも増やしておいた方がいい」(古参県議)という空気もある。
 入党申請組には自民党現職を破って当選した議員もおり、今議会中に四人全員が入党を認められるかは微妙。ただ、中央と異なる地方政治特有の論理で、自民党県議団の膨張は続く。


◆熊本日日新聞 2001(平成13)年3月6日

本当の信任ではない 県内各党は厳しい見方 内閣不信任決議案否決

 衆院本会議で五日、内閣不信任決議案が否決された。県内の各政党は与野党とも「森首相が本当の意味で信任されたわけではない」と厳しい見方を示した。
 自民党県連総務会長の西岡勝成県議は「否決はしょうがないとしても、その後どうするかだ。解党的出直しと言っても、首をすげ替えてカッコばかりつけても国民はシラケてしまう」と案じ、同副会長の紫垣正良熊本市議も「日本的な餞別(せんべつ)でもある。問題は否決より、三回も不信任案が出るような首相を抱えていること。提出前に辞任の方向を見い出すべきだった」と指摘。
 若手議員も手厳しい。県連青年部長の大西一史県議は「否決は金看板にはならない。世論は森首相の交代だけでなく、自民党の体質も批判しており、党がどう再生するかビジョンを示すべきだ」といらだたしげだ。
 同党の党籍を持つ江口和幸水俣市議は「党人として否決はやむを得なかったと思う」としながらも、「森さんには国民世論を、もう少し謙虚に感じ取ってもらわないと…。個人的には一日も早く辞任してほしい」と苦しい胸の内を明かす。
 連立政権を構成する公明党の竹口博己県議は「首相の不人気が国民世論となっているのは、重大に受け止めなければならない。自民党は解党的に出直すべきだ」と注文をつける。
 一方、野党側は民主党県連副代表の鎌田聡県議が「内閣支持率一ケタで『森首相ではダメ』と国民が言っている。国会で否決しておきながら、その後の与党調整で首をすげ替えようとするのなら筋が通らない」と批判。
 「国会では否決されたが、国民レベルでは可決している。首相退陣は時間の問題」と久保山啓介・共産党県委員長。社民党県連合の森川生朗代表は「むなしい結果。与党は首相を信任していないにもかかわらず、不信任案を否決した。野党も受け皿をつくり得ていない」と、矛盾する与党対応と野党の物足りなさを嘆く。

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